TSI BRAND INTERVIEW 「MHL」
  • エムエイチエル
  • 2019.09.30
Wellness & Lifestyle

注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、㈱アングローバルの「MHL」です。10周年を迎えた代官山店をはじめ、支持され続けるブランドの世界観についてインタビューしました。

― 10年を節目に次のブランドステージへ ―

| 「MHL」とは?
 2003年に、ロンドンを基軸にスタートしました。当時は日本への投入型数も少なく、メインラインを補う限られたアイテムでした。当社としては事業化を目指し、2006年秋からMD精査やテストマーケティングを重ね、2009年9月にMHL世界第1号店となる代官山店オープンを皮切りに本格始動しました。
 コンセプトは「ファンクション(実用性)」と「ユーティリティ(機能性)」です。ワークウエアやユニフォームからインスパイアされた、タフで機能的な要素をデザインソースに、「マーガレット・ハウエル(以下、MH)」のカジュアルラインとして位置づけています。そしてユニセックスであることも特徴です。メンズとウィメンズが同居したショップで、同じ素材・同じデザインのアイテムが揃うことが魅力です。現在、25店舗とショップ数も広がりました。ですが、ゴールだとは思っていません。ある程度の全国主要都市での展開が整ったので、ここから次のステージへ高めていきたいと考えています。


| 共感されるリラックス感
 ラフであり、実用性を重視したスタイルは変わっていませんが、デザイナーのマーガレット本人がアーカイブを改めて着てみると、今の気分だと小さく感じたそうです。常にベストなアイテムをデザインする中で、ここ数年はよりリラックスしたシルエット感が要素になってきています。ユニセックスゆえ、女性のお客様がメンズサイズで購入されることも従来からでしたが、最近はその傾向が強くなっていますね。オーバーサイズのシャツをタックインして"リラックス感"を楽しむなど、われわれが打ち出す提案やスタイルが、今の時代とともにお客様に共感頂けているのだと思います。またベーシックを軸に、ボタンのサイズやポケットの位置、ステッチの幅などちょっとしたディテールポイントにもこだわりが強くなってきました。変わらないブランドでありつつも、こういった小さな変化を楽しんで頂けていることが、顧客やリピーターに支持される一つの要因なのかもしれません。


| 10周年を迎えた代官山店
 代官山店は、この9月でオープン10周年を迎えました。ブランドとしても大きな節目です。これまで数多くのお客様に支持されてきた感謝とともに、新しいお客様にブランドを周知したいという思いが強くあり、9月14日からの3日間、代官山・T-SITE内で10周年記念エキシビションを開催しました。ロンドンで保管されているアーカイブの中から、マーガレット自らピックアップしたMHLを象徴するアイテムを取り寄せて展示し、またアーカイブをもとに今の気分に落とし込んだコートやトラウザーズなど全6点の復刻アイテムを展開しました。期間中はワークショップも開催するなど、たくさんのお客様にご来場頂き、ブランドの世界観を大きく発信できたと手応えを感じています。
 そして、代官山店は9月20日にリニューアルオープンしました。商品をフルコンテンツで網羅できる広さになり、MHLのすべてが感じられる本当の意味での旗艦店に進化したと思います。従事する上での環境も改善することができました。「一度は代官山店で働きたい」と思ってもらえるよう、お客様に限らずスタッフたちにも憧れられるショップに作り上げていきたいと考えています。


| 今後に向けて
 ここ数年で、アジアを中心とするインバウンド客の比率が高まっています。韓国では現地パートナーのもと3店舗で展開しており、好調に推移しています。主力もフィーチャーされたロゴアイテムから本質であるウエアへと切り替わり、今では売れ筋も日本と変わらないほどです。また、台湾では7月7日からの1カ月間、台中のセレクトショップでポップアップを開催しました。予想以上に反応が良く、今後の可能性も含めてアジアマーケットの開拓を1つの契機にとらえています。
 ブランド全体としては、"エイジレス"というほどのショップ展開やWEB構築など、まだすべてをやりきれていない部分があります。セグメントされた立地上、20代~30代を中心とする現状のお客様の層に限らず広げていくことが課題です。それに対しては、"リラックス感"を楽しめるコンテンツやバリエーションを増やしながら、お客様とともに成長していきたいと考えています。来年、MHは50周年を迎えます。MHLも次の10年、20年に向けて時代を感じながらビジネスモデルを柔軟に変化させていくことが、これからの僕らに求められることなのかなと思っています。

Back to Brand News
Recommend