TSI BRAND INTERVIEW 「AVIREX」
  • アヴィレックス
  • 2019.06.28
Street & Culture

注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、㈱上野商会の「アヴィレックス」です。1975年の誕生から、長年支持され続けているブランド力についてインタビューしました。

― ファンを大切に、愛され続けるブランド ―

| 「アヴィレックス(以下、AVI)」とは?
 アメリカ空軍の正式コントラクターとして、パイロットの命を守るために厳しいミルスペック(軍規格)をクリアしたAVIのフライトジャケットは、正規支給品として供給を許されていました。その素晴らしい機能性をタウンユースとして市場に広めるために、1975年にAVI社が発足しました。その社名は、大空に思いをはせた飛行家(アヴィエーター)を称える「アヴィレックス(空の王様)」から名づけられています。
 当社との出会いは、ラスベガスで開催されている世界最大のファッション展「マジック」でした。買い付けで訪れた長谷川会長が、AVIのブースで商品を目にして「これは面白い!」と直感したそうです。1986年に日本における独占販売権を取得し、取引がスタートしました。当時、日本での認知度はほとんどありませんでしたが、同年公開された大ヒット映画「トップガン」での俳優トム・クルーズ氏の着用により、ブームが巻き起こりました。その後、1991年にAVI初の直営店を神奈川県・本牧にオープンし、直営店展開をスタートしました。

| 長年支持される理由
 ミリタリーを代表するフライトジャケットのイメージが定着しながら、当時は本国からの輸入商品を中心にメンズのみで展開していました。ブランドの幅を広げるべく次なる一手として、1994年にAVI社とライセンス契約を結びます。下地社長が当時デザイナーとして、日本向けにアウターやインナー、パンツなどを企画していましたね。グッズやシューズをはじめ、新たにレディスやキッズライン、そしてペットグッズへと展開も広がり、今ではファミリーで楽しんで頂けるブランドへ大きく成長しました。
 その中で支持され続けている要因は、市況に流されないブレない姿勢だと思います。AVIが持つ「タフさ」「丈夫さ」はもとより、グラフィックやカラーリングなど独自性のあるデザインも強みのひとつです。最近は大きなロゴ使いを、スポーツテイストで楽しんでいる10代の方が多くいらっしゃいます。ブランドを長く維持していくうえでも、若い層やレディスを取り込んでいくことは意識していますが、一過性のものではなくAVIのフィルターを通した新しい提案を出すことを大切にしています。

| お客様の期待に応えていく
 歴史のあるブランドなので、お客様からの信頼を損なわないよう、そして飽きがこないように「ベストセラーよりロングセラー」の姿勢で宣伝戦略を掲げています。販促も同様です。一気に売上を作る施策ではなく、長年支えて下さるお客様に喜んで頂けることを地道に行なっています。2010年に迎えたブランド35周年を皮切りに毎年キャンペーンを開催しており、35周年は35型のMA-1を打ち出しました。とても好評でしたね。今年は8月に「ミリタリーキャンプキャンペーン」を企画しており、お客様をキャンプ場にご招待し、スタッフと交流を深めながら楽しむ予定です。
 また、2015年から行なわれている「レッドブル・エアレース千葉」に毎年ナショナルスポンサーとして協賛しています。大会テーマ"大空への挑戦"はブランドコンセプトと親和性があり、最も注力しているイベントです。大会スタッフユニフォームをAVIで製作・提供するほか、顧客様を招待したハンガーツアーや日本人唯一の屋選手との記念撮影などのサービスも当スタッフで手掛けています。その喜ばれる姿や、AVIのウエアで観戦される多くの方々が眼前に広がる光景は、うれしさとともにブランドの成長を実感しています。

| 今後に向けて
 現在は国内直営店30店舗、アウトレット4店舗、海外は中国20店舗、そしてEC 6店舗で展開しています。引き続き既存店を強化しながら、自社をけん引するブランドとしてさらに成長させていくことが目標です。その達成に向けては、メンズが8割を占めるAVIの領域を広げ、若年層・女性客を取り込んでいくことが直近の課題です。長年のAVIファンの信頼を裏切らず、新たなファンを作っていくこともブランドの使命として常に考えています。また、新日本プロレスの選手とのコラボレーションウエアや、初音ミクのレーシングチームのウエアなど、今までにない異業種との新たな協業も実現しました。今後もイベントやキャンペーンを顧客接点としながら、さまざまなアプローチを積み重ねて、ブランドの精度を高めていきたいと考えています。
 来春でブランド生誕45周年を迎えます。私自身、入社からAVI一本で携わってきたので、歴史と伝統を背景に、変わることのないスピリッツを大切にしながら、新しさを提案していくAVIのモノ作りの姿勢をこれからも受け継いでいきます。





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