TSI BRAND INTERVIEW 「FREE'S MART」

2019.03.29

注目のブランドに迫るこのコーナー。今月の"it"ブランドは、今年でブランド10周年を迎える㈱サンエー・ビーディーの「フリーズマート」です。大きく手応えが出始めたリブランド施策についてインタビューしました。

― 高感度層に響かせるリブランド ―

| ブランドが担う役割とは?
 MFMは、"LA発ライフスタイル提案型セレクトストア"をストアコンセプトに、2009年FWシーズンにデビューしました。当時はファストファッションの台頭で、MFMは"日本発"のファストファッションブランドとして、ナチュラルで健康的なスタイルを低価格で打ち出していました。消費者の嗜好を反映したアイテムは好評でしたが、やがてマーケットの環境変化により苦戦へ転じます。さまざまな施策を重ねるも、サーフやビーチハウスをイメージした内装に、フェミニン・ベーシック・LAテイストまで展開する客層の分かりづらさに、離反客も増え始めました。そして向こう3年間を見据えた体質改善に集中することを急務とし、大型都市物件であるルミネエスト新宿店(2017年9月リニュール)、ルクア大阪店(2018年2月オープン)への出店を契機に2018年SSシーズンから本格的なリブランドに着手しました。

| リブランドによる進化
 持論ですが、お客様の多いゾーンで勝負をしないと、そもそも事業としての伸び代がないと思っています。そこで、ファッションビルとして一番可能性のあるターゲティングとして、「高感度ロープライスカジュアル(大人も買える)」を軸に置きました。大人の女性客も視野に入れることで、今までやっていなかった尾州ウールを使用したコートやフォックス使いのニットなど、上質な素材も打ち出しました。そして店舗も、ナチュラルな質感をベースにモダンな要素を加味した入店しやすい内装に変えています。新内装でオープンしたルクア大阪店は好調に推移し、同年3月にリニューアルしたテラスモール湘南店も売上が1.3倍に伸長しました。今シーズンにかけてリニューアルした他の3店舗も売上が約2倍近くに伸長するなど、ブランドとしても好調な状態で今シーズンを迎えています。

| 今シーズンからの新たな訴求
 収益構造改革に向けてさまざまな課題がある中で、ファッション感度の高い方からの支持の低さも同時に感じています。マーケットから淘汰される危惧でもあります。幸いにしてファッションはWEBやSNS、ECとの親和性が高く、消費者接点として多様化するデジタル周りを一気に変えることにより、ブランドイメージを向上できるのではないかと考えました。その施策の一つとしてロゴを刷新しました。一目で認識しやすい2段の文字列で、スマホファーストを考慮した仕様です。また、ブランドサイトも大幅にリニューアルしました。写真や商品名・上代の見せ方などカッコ良さを優先し、伝えるべきは世界観だと思っています。SNSにおいてはインフルエンサーの活用に加えて、「ビジュアルスタッフ制度」を導入しました。半年ごとに社員・アルバイトから3~5名を募り、任命されたスタッフが毎月提供する10カットのスタイリングを公開していく仕組みです。インセンティブとして「SNS手当」も支給します。将来的にSNS担当者としての可能性を見いだすこともできると考えています。

| 今後に向けて
 さまざまな施策に取り組んだ昨年をリブランド序章とするならば、今年はリブランド元年として新たなMFMを訴求していきたいと考えています。ブランドとしても黒字化が見えてきたので、今期はさらに安定化させることで大きなV字回復を目指していきます。収益構造改革は引き続き取り組んでいきますが、根幹はやはりブランティングです。新生MFM一年目という気持ちで、新しいファン作りを丁寧に行ない、オシャレな方からもMFMで購入することに抵抗がないように、ブランドイメージを引き上げていくことが目標です。商品・デジタルイメージを含め、目指すはマイナスからの脱却です。事業は"続けていくこと"がすべてだと思っています。回復してきた業績を追い風に、当面は予算達成が目標ではありますが、ブランド存続に向けてMFMチーム一丸となって頑張っていきます。