TSI BRAND INTERVIEW 「HIGH STREET」
TSIホールディングスが展開するブランドをクローズアップ。今回は、スピックインターナショナルの「ハイストリート(以下HS)」をご紹介します。
―クロージングの伝統や歴史を大切に―
| HSはどんなブランドですか? 仕事も遊びも楽しむ大人へ向け、ドレスアイテムを核としたブランドとして2001年にスタートし、今年でちょうど15年を迎えます。2000年以降は、世界的にさまざまな出来事が起こり、その間にビジネスのスタイルは大きく変化しました。スーツはユニフォームの一つであり、世の中のカジュアルの流れと共存しづらい環境になっています。この大きな変化に対応するため、ドレスアイテムを軸に置きながらも、特にカットソーの強化を中心にカジュアルシフトをしたのが約4年前のことです。
クロージングが持つ伝統やエッジを、メンズブランドでこだわりたいと考え、「トレンドを取り入れながらもシャープでスタイリッシュ」というのがコンセプトとなっています。またベーシックなニットと、ドレスアイテムを中心に、インポート素材のカジュアルカットソーを組み合わせることで世界観を築き上げています。現在の主要顧客は30代中盤~40代中盤ですが、直近では若いお客様も徐々に増えてきています。
| HSの特徴を教えてください
ブランドアイコンはジャケットです。クロージングの歴史によって培ってきたテクニックを駆使し、さまざまなトレンド素材とカット素材のラペルつきのジャケットを作れるのは、HSの強みです。その物作りにおいても、3つのこだわりがあり、1つ目は、オリジナル素材を徹底的にこだわり抜いていることです。ここに関してはジェンダーレスであって良いと考えており、それこそレディスメーカーの素材を使ってメンズアイテムを作るなど、独特なアプローチによって他との差別化を図っています。2つ目は、シルエットです。長年のブランド運営によって、顧客が好むシルエットは把握していますので、そこに合わせた物作りを常に意識しています。服作りって、料理に似ていると私は思うんです。例えば『良い食材を料理する』というのを、アパレルに当てはめると、料理をするのは工場になります。ブランドの方向性や出したいシルエットを実現するためには、綿密にコミュニケーションを取らなければいけません。こだわりの素材ですので、当然その特性によって不具合が出ることもありますが、そこは妥協せずに地道に取り組むことで、最高のものの提供を目指しています。最後に、サイジングです。HSが始まった頃の百貨店メンズブランドと言えば、良い素材を使っていてもサイズが大きいものが多かったので、ここにチャンスがあると感じました。シャープでスタイリッシュがコンセプトですので、アイテムによってはレディス並みのサイズのアイテムもあります。スッキリ見える物作りによって根付いたお客様も大勢いらっしゃいますし、また時代の変化に伴ってサイズMDも進化しているので、今は新規の方にも訴求できています。
こだわり抜いたシルエットはそう簡単にはまねできないと考えており、自信を持って取り組んでいます。もしブランドが不調になったとしても、このジャケットというアイテムだけはいつまでも作り続けていきたいですね。
| プロモーションについて 雑誌媒体では「LEON」と「Safari」に出稿しています。特に「LEON」の読者は40代が中心ですが、昨年の秋冬シーズンで若いモデルを起用して目立ったこともあり、着用していたコートは即完売するなど、少しずつ手応えを感じています。
今は商品を見せてアプローチするだけの時代では無くなりました。お客様は商品そのものを求めているわけではなく、「どんなシーンでどう着こなすのか」を求めています。ブランドの役割は、それを案内し、そして世界観を伝えること。HSのカタログは現実的な面も意識し、ストーリー性を感じられるイメージカットが増えています。他方で、あまりにリアルを意識しすぎると今度は差別化が難しくなります。そこで、ちょっとしたインナーの雰囲気を変えたり、レディスのトレンドカラーを仕掛けたり、ファッションが本来持つ楽しさも打ち出すよう心がけています。
| チームの連携について
HSでは、全ての店長が集まるセールスミーティングを週1で実施し、店舗と本部がしっかりとイメージを共有することに重きを置いています。お客様に商品を提案するショップスタッフが、この商品を見てどう感じるのか、またどれだけブランドを理解しているのかは、今後リアル店にもっと求められるようになるでしょう。尖りのあるアイテムを単品でという売り方はあると思いますが、それは間違った売れ方です。顧客の客質に合った、必要なブランディングをしていくことで、みんなが同じ方向を向いてビジネスを展開していけると考えています。
余談ですが、本部のチームはなるべく全員でランチへ行きます(笑)。年齢はバラバラですが、世代の差による洋服以外のものの見方は、いつも新しい発見につながるんです。そんな普段のやり取りを大切にし、チームのひとり一人がもつ強みを伸ばしていきたいですね。
| 将来に向けて ブランドの認知向上を全スタッフが一丸となって取り組み、HSに携わるみんなが「ここにいてよかった」と感じ、仕事に誇りを持ってもらえるようにしていくのが目標です。年齢に縛られず、街を気持ちよく歩けるような着心地を提供していくため、素材開発には今以上に力を入れていきます。またHSはメンズブランドですが、女性のトレンド変化のスピード感を常に意識することで、強みのアイコンをさらに際立たせていきたいです。ニッチな市場の中でアグレッシブに顧客満足を追求し、支持して下さるファンを増やすことで、いずれは本当のトータルコーディネートブランドとして、スーツやテーラードの再構築も考えています。
もっとブランドについて知りたい方はこちらへ!
http://www.spic-int.jp/brand/4
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