TSI BRAND INTERVIEW 「nano・universe」
  • ナノ・ユニバース
  • 2017.03.31
Street & Culture

TSIホールディングスが展開するブランドをクローズアップ。今回は、ナノ・ユニバースの「ナノ・ユニバース(以下NU)」をご紹介します。

―新たなブランド・アイデンティティーの確立へ―

| NUはどんなブランドですか?
 NUは、ヨーロピアントラディショナルに、モード感とセクシーさを織り交ぜたコンセプトのセレクトショップとして、2002年にスタート。セレクト大手がアメリカントラッドベースで展開しているのに対し、NUは後発ながらも独自の視点でセレクトすることで、大きな成長を遂げてきました。ですが市場は、同じようなインポート商品を扱い、またOEMによるオリジナル生産も増えたことで、同質化が進んでいるのが実状です。さらに、日本国内は少子高齢化社会の到来や、アパレル市場の縮小など、決して楽観視できません。今までのNUはメンズ色の強いイメージでしたが、今後シェアを大きくするためには、ウィメンズを強化し女性にも支持されるブランドとなる必要があると感じていました。社長就任後、再生と新生を同時に進めるとともに、5年後、10年後の未来を見据え、BI(ブランド・アイデンティティー)の見直しを行ないました。


| ブランド・アイデンティティーの見直しについて教えてください
 今年1月に発表した、二ノ宮和佳子さんのウィメンズディレクターの起用も、BIの見直しの一つです。彼女の強みは、普通のアイテムを普通に見せないコーディネートによって良いものを引き出し、リアル感と説得力を持たせられることです。もともとウィメンズは少しコンサバなイメージを持っていましたが、彼女が持つキャラクターやネットワークを駆使し、BIの確立を目指していきます。
 海外のブランディングといえば、アイコンが際立つものが多いですよね。例えば、リンゴのマークを見れば、自然とあるブランドを思い浮かべるように。でも日本では、アイコンはあくまでもワンポイントであり、ライセンスの意味合いが強い。NUでは、アイコンが持つステータスを上げる活動=ブランディングであると考え、それによってオンリーワンの存在を目指すべく、全社を挙げて取り組んでいます。
 この3月からは新生NUを打ち出すため、新ブランドロゴを電通の窪田新さんをアートディレクターに起用し、制作してもらいました。刻印のような「nano」のデザインは、スマホアプリも意識したものになっています。同じく3月にリニューアルしたルミネ横浜店や、17日にオープンした新宿フラッグス店の内装も、今までの重厚感がある男性的なイメージから、中を見渡せるファサードや一部大理石を使用するなど、明るくクリーンで奥行きと開放感がある空間にし、女性も入りやすい店作りにしています。


| プロモーションやECの取り組みについて
 従来はイメージ重視でテレビCMを打っていましたが、2016年秋冬のイメージモデルは俳優の松坂桃李さんを、ウールコートのコレクションでは紗栄子さんを起用し、よりリアル感が伝わるものにシフトしています。今後はイベントやコラボなど、消費者にもっとブランドが伝わるような、機動力あるプロモーションに力を入れていきます。
 ECビジネスは、会社として先見の明を持っていたことが、今の大きな財産となっています。自社で撮影スタジオや、カメラマンを内製化しているなど、業界他社に先がけて力を入れてきたことが、今のリードするポジションにつながっていると感じています。WEBに関しても、撮影体制が整っていることで、お客様の反応を常にフィードバックし、すぐに変えられるのが強みです。小売店のマイナス成長が想定される中、ECはまだ伸び代があるので、成長戦略の一貫としてこれからも投資し、中長期的には全体の売上に対して50%を目指していきます。

| 将来に向けて
 新生NUはスタートしたばかりですが、所属する社員が誇りを持ち、また自慢できるようにしていきたいと考えています。あと、全てにおいてイケてるのが、業界内外で認められる会社にしていきたいですね。神南を歩いているカッコイイ人はNUの社員、と思われるように(笑)。それが消費者とマーケットに浸透し、NUの話題性につながっていけばと嬉しいです。
 社員に対しては、一人ひとりの趣味やこだわりを、時間をかけて徹底的に深めてほしいです。「好きこそ物の上手なれ」とはまさにその通りで、一番好きなものを極めてほしい。ファッションやカルチャーが好きであることに加え、何かに長けている「○○オタク」社員が増えれば、好きなものの融合で新しい価値や発想を生み出すことができます。今は個人でもSNSなどを通じて、世界に発信できる時代。それが評価されることで自信につながり、力になるんだと思います。人として周りから憧れられる社員を増やし、より魅力のある企業になったら最高にカッコイイですね。

もっとブランドについて知りたい方はこちらへ!
http://www.nanouniverse.jp/

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