TSI BRAND INTERVIEW 「ADORE」
  • アドーア
  • 2017.01.31
Fashion Capital

TSIホールディングスが展開するブランドをクローズアップ。今回は、サンエー・インターナショナルの「アドーア」をご紹介します。

―世界に通用する物作りを追求―

| ADRはどんなブランドですか?
 ADRは、本当の豊かさや本質的なものに精通した、大人の女性に向けたブランドとして、2005年からスタートしました。それから10年以上が経ち時代は大きく変化し、ターゲットとしている「大人の女性」という定義も変わってきています。また、消費者はすでにクローゼットの中にたくさんワードローブを持っているので、そこに新たにプラスしてもらうのはとてもハードルが高いことです。 
 ADRでは、ブランドが培ってきた歴史を大切にしながらも、新たに始めるものと継続するもの、そしてやめるものを整理し、今シーズンから新たなコンセプトとして、「社会的な立場を持つ働く女性の知的なイメージ」と「上品なムードで美しく見える女性らしさ」という、求める女性像を明確にしています。どのような方がどういうシチュエーションに着る服なのか、という求められているニーズを考え抜き、ブランドが思う女性像に共感できる方へ提案しています。
 物作りにおいては、この女性像を軸に「自分だったら何をどういう値段で着たいか」という視点で素材からセレクトしています。そして出来上がったものと価格のバランスを大切にしながら、現代のモダンさを加え、40代女性の視点で商品を生み出しています。


| 主力アイテムやブランドの強みは?
 強みとしているのは、アイテムの「フォルム感」です。物作りにものすごく時間を取り、徹底的にこだわっています。この16AWではシンプルな中にフォルム感のある、ADRらしいアイテムとしてニットを戦略的に仕掛け、とても好評でした。フォルム感を出すのは本当に難しく、技術力の高い工場と企画が連携して出し方を追求しています。どこにでもできる技術ではなく、何度もやり直しを経て生産しているので、その強いこだわりを持った物作りが、お客様にしっかりと伝わっていると感じています。ニットアイテムは、本来パターンを出す必要がないのですが、棚に置くのではなく布帛(ふはく)と同じように見せるニットを作るため、約半分の品番はパターンを作っています。そして、ブランドを代表するドレスやブラウスとセットアップで組めるように構成し、お客様が望むものがいつでも置いてある店頭を目指したことで、新規のお客様獲得にもつながりました。


| プロモーションについて
 従来の洋服が前面に出るものではなく、ADRが目指す女性像がハッキリとわかるようにするため、16AWのビジュアルは考え方を変えて、日常の女性らしいイメージに仕上げました。店頭で配布するカタログもファッションとリアルのバランスを、コンセプターとデザイナーが一緒に考えて制作しているもので、お客様の反応もとても良いです。
 ADRはニッチなマーケットで展開しているブランドですが、他が真似できないこだわりを持っており、チャンスとして広げていけると考えています。六本木ヒルズ店や表参道ヒルズ店、そしてこの4月にオープンするGINZA SIX店は、新しいアプローチができる店舗ですので、17SSの商品展開もバイイングした雑貨で差別化を図り、ブランド認知度を向上させて、来店率のアップを目指していきます。


| チームについて
 販売計画やシーズンの考え方など、ブランドの根本を決めるにあたり、事業に携わるすべての人がゼロベースで何が良いかを考え、それぞれの視点をシェアし、とことんディスカッションしています。「本当にこの女性は着るのか」という質問を投げかけ続けて洗練させていくので、時間はかかりますが、一度決まれば全員が同じ方向を向いて動きます。あとは各々の役割を全力で全うするのみ。決まった後のスピード感はとても速いです。
 事業運営で大事にしているのは、「何事もバランスが大切」ということ。全ての商品をクリエイションの視点だけで作ってしまうと、お客様に響かなくなってしまいますし、逆に全ての商品を売ろうとすると、クリエイションがダメになってしまいます。ファッションとリアルの繊細なバランスを取るために、展開の仕方はチームで綿密にコミュニケーションを取って決めています。そして出来上がった商品に対しては、個人の好みで良し悪しを判断するのではなく、「女性像にとって良いかどうか」を判断基準にしているので、着用のTPOを想定して修正をしています。


| 将来に向けて
 現代は「本質」が問われる時代。お客様に満足して頂ける商品を作り続けるためには、軸となるブランドの女性像に共感して頂くことが重要です。素材やフォルムなどを徹底的に追求し、時間と魂を込めたADRの物作りは、世界の名だたるブランドと肩を並べるレベルであると自負しています。インターナショナルに通用できる物作りによって、国内ハイブランドの先駆者としてのプライドを持ち、常にトップであり続けるブランディングにも力を入れていきます。


もっとブランドについて知りたい方はこちらへ!
http://www.adore2005.com/


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